気の玉の本当の秘密を誰も知らない
気功をやってると「気の玉」って言葉をよく目にしますよね。
目に見えない気を、ボールのようにイメージして扱う気功法の事です。
私の師匠の八山元先生こと張永祥先生に伺った話によると、
「気の玉は昔は秘伝の功法だった。」そうです。
なぜなら、
「それがただの気じゃなくなるから。」だそうです。
気功を熱心にやってる人なら、これを聞いて
「何だそんなのもう知ってるよ。」って思ったでしょ?
「気の玉に情報を入れるんでしょ?」って思うと思うんです。
私もそれを聞いた時はそう思いましたよ。
でもすぐに「まてよ?」と思いました。
巷にあるような情報の入れ方では、正直言って私の満足できるような基準の効果が無かったからです。
それで実際に気の玉に情報を入れてどうこうやっても、どうも大した結果が出ない。
「秘伝と呼ばれていたものがこの程度の効果のわけがないよなあ。」
と、最終的にはいつもこう思って、しばらく気の玉の気功はやらずに塩漬けにしていました。
私は内弟子でもなく、張先生の学校の末席を汚す一生徒にすぎません。
張先生に聞いた話も決して多くありません。
それでも先生から頂いたヒントを自得するのに日々あっぷあっぷしています。
少ないヒントを自得するのにも5~6年かかっています。
気の玉が秘伝たりえる効果を出す方法についても、他に先生に聞いた話を参考にして考えつつ修行していたら、ある時から一応納得できる効果を出せるようになりました。
「なるほどこれかあ!」と、歴史の叡智におのずと崇敬の念がわきました。
先生に確認を取ったわけでは無いから、あってるかどうか本当の所はわかりませんけどね。
でも確実に効果とコストパフォーマンスは格段に上がりました。
気功を生業としてやっていこうとすれば、避けて通れない問題がコストパフォーマンスの向上なんですよ。
自分の心身の健康と施術者への効果を両方高めつつ、日常の中で社会人としての役割も全うして生きていくというのは中々に難度の高い事なんですよ?
山にこもって一日中練功して、たまに他人に布気(気功治療の古い言い方)するというような生活なら、そんな事考えなくてもいいんですけどね。
だから今のような俗世の中で継続してやっていく気功治療の形態というのは歴史的には非常に新しいもので、革新的な挑戦でもあるんです。
失敗して、これから先忘れ去られていく可能性だってまだまだ十分にある分野なんです。
だからこの分野ではとにかくコスパなんです。
コスパ!
一にも二にもコスパなんです。
張先生は弟子と師匠の関係を、海の波に例えてらっしゃいました。
「海の波というのは必ず最初の波を後から来た波が超えていく。だから弟子は師匠を超えるように一生懸命努力しなさい。」
そうやって我々生徒を勇気づけてくれるような発言を授業でしてくれましたが、
しかし前を行く先人たちの波の大きさには、ただただ圧倒されるばかりです。
謙遜でも何でもなく、学べば学ぶほどそれを痛感します。
でも、
面白い!
武術でも気功でも、凄いものに気づき、それに近づける体験をするというのはいつも新鮮な感動があります。